パンデミックの脅威を感じている人は、はたしてどのくらいいるのでしょうか。
発生してしまってからでは遅いパンデミックへの対処を今のうちにしておきましょう。
新型インフルエンザという言葉は耳にする機会があっても、今ひとつその定義に関しては定かではない、という人は多いのではないかと思います。
新型インフルエンザは、2004年に厚生労働省が発表した新型インフルエンザ対策報告書によれば、ヒトが過去数十年の間に経験した事のないHA、NA亜型のウイルスが流行し、ヒトに伝播して行く状況の事を指すと定義されています。
ようするに、大多数の人にとって未知のウイルスである事が前提という事です。
そして、その新型インフルエンザが世界中で急速に広まり、世界規模の大流行に発展したとしたら、インフルエンザ・パンデミックという言葉を用いる事になります。
厳密には、WHOの定義している警告フェーズの6の状態でパンデミックと呼ぶのですが、便宜上では世界的な流行病をそう呼ぶ事が多く、インフルエンザ・パンデミックの事を単にパンデミックと呼ぶ場合もあります。
インフルエンザ・パンデミックの怖いところは、驚異的に感染スピードが速く、対抗手段がどうしても後手後手に回ってしまわざるを得ないところにあります。
現存の薬では新型インフルエンザには効果がありませんので、新しい薬を開発することになるのですが、それにはかなりの時間を要します。
したがって、特効薬などはありませんし、対処法は少しでも症状が軽減できるような小さなものに限られてきたりと、それすらままならないというのが実情なのです。
欧米諸国と比較して、インフルエンザ・パンデミックに対する日本人の関心は、まだかなり低いといわざるを得ません。
それは、鳥インフルエンザが大々的に報道されて数年が経過した今も、あまり変わっていないようです。
この意識を変えていくのは、容易ではないといえそうですが、それでも、変えなければならないことなのです。
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アジアは2003〜2005年の間、鳥インフルエンザによるパンデミックの脅威に震えていました。
パンデミックは、世界を何十年かに一度震撼させており、遥か昔のペストを筆頭に、1918年のスペイン風邪や1957年のアジア風邪、また1968年の香港風邪などといった流行病によって沢山の人命が失われています。
そういう中にあって、過去のパンデミック以上に鳥インフルエンザは脅威となる可能性を含んでいます。
というのも、鳥から鳥やペット、人、ペットから人へと感染するこのインフルエンザは、その発端が世界中を飛びまわれる鳥であるというところにあります。
当然鳥には翼があります。
それは、何の障害もなく島国である日本にも飛んで来られる事を意味しています。
つまり、遠い東南アジア諸国で発生しているからといって、何の安心の保障にもならないという事です。
鳥インフルエンザに対する国内での対策方針としては、厚生労働省が2003年の10月に設置した、新型インフルエンザ対策に関する検討小委員会があります。
また、新型インフルエンザ対策報告書を2004年の8月に取りまとめ、その被害状況及び今後の展開についての予測が成されています。
それによれば、日本が今後鳥インフルエンザで受ける被害は、受診者が1700〜2500万人、入院患者が17〜53万人、死亡者が6.9〜16.7万人に上るだろうと推計されています。
国及び都道府県は、この報告書を元にワクチンを5ヶ年計画で備蓄し、新型ワクチンの開発支援を行うなどの対抗手段が発表され、徐々にではあるのですがパンデミックに対する危機意識が芽生えてきているようです。
鳥インフルエンザの脅威が、ようやく日本にパンデミックの存在を知らしめたといえるのではないでしょうか。
世界規模での感染爆発を指す言葉がパンデミックです。
したがって、パンデミックの対策の主導権を握るのは、世界的な保険機関というのが自然な流れではないでしょうか。
つまり、世界保健機構、通称WHOの役割という事になります。
WHOは情報の収集公開および国際基準の設定などと並べて、災害時緊急対策と感染症対策を活動の柱としています。
つまり、パンデミックに対する対策も、WHOにとって命題の一つといえるのです。
WHOにとって、パンデミックへの抵抗は、彼らのアイデンティティに関わる極めて重要な戦いといえるのではないでしょうか。
WHOでは現在、実際にパンデミックが起こった場合に起こり得る様々な問題を想定し、その対策として事前対策計画を練っています。
予測がその中心で、過去の事例から、どのようなウイルスが蔓延した場合、どれほどの死亡者が出るのか、どれほどの脅威なのかというシミュレーションを数多く行っており、そのそれぞれに対する抗ウイルス薬やワクチンの製造や備蓄に関するガイドラインを作成しています。
WHOのパンデミックに対する役割は、一にも二にもパニックの抑制にあるといえます。
いかに世界最大の医療機関であっても、新型インフルエンザなどの未知のウイルスに対するワクチンを作成するには時間が掛かります。
それまでに、どれだけ世界中のパニックを防ぐ事ができるかで、被害者の数や死亡者の数が大きく変わってくるのではないでしょうか。
そして、それは世界で最も権威のある保険機関のWHOにしかできない役割なのです。
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